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私がリフォームに関わり始めたのは、２０代後半のことでした。
未熟な私は、技術も経験もなく、お客様のご要望やお困りごとを、必死にお聞きすることしかできませんでした。

３０代前半に、印象的な場面に出会いました。
当時は、お客様が昔から付き合いのある大工さんを呼んでこられて、当社が給排水工事を担当する、という形でリフォームを行うことが時々あり、その時もそうした方式でした。

たまたま私がいる前で、奥様が大工さんに「ここはこういう風にして欲しいのですが」とおっしゃいました。
すると大工さんはこう言ったのです。
「そこはそんな風にはできないんだ。奥さんはわからないだろうから、私に任せておけばいいんだよ。」
その言葉を聞いた奥様は、目を伏せ、黙って立ち去られました。
奥様は悲しそうでした。私はびっくりしてしまいました。

この時の情景を、私は今も忘れることができません。
私自身もとてもつらい気持ちになり、自分はお客様に決してこんな悲しい思いをさせない仕事をしようと強く思いました。
また当時は、氷見市外の仕事も時々お受けしていました。
そうした現場の場合、移動時間の長さが想像以上に物理的にも精神的にも障害となり、精一杯努力するのですが、お客様のお気持ちにきちんとお応えできていないことにふと気づき、大変申しわけなく思うことがありました。

その後、時間が流れ、私は今年５６歳になりました。
この間、おかげさまで多くの現場を経験させて頂いた現在でも、前述の２つの経験が、私の原点であることに変わりはありません。
そうした原点から、私はこう考えるようになりました。

① リフォームは、家がきれいにさえなればそれで良いわけではなく、そこに住まわれる皆様に笑顔になって頂くことがとても大切。
② 心苦しくとも氷見市外の仕事はお受けせずに、お客様のご要望・お気持ちにすぐにお応えできるようにすることがとても大切。

これからも頂いたご縁に感謝し、より良いリフォームをご提供させて頂きたいと思っています。
そしてそうしてご縁を頂いたお客様と、いつまでも笑顔でお付き合いさせて頂けるなら、私にとってこれ以上の幸せはありません。

代表取締役
久保昌也（くぼ・まさなり）